TBHQ (tert-butylhydroquinone)  tert-ブチルヒドロキノン


2-(1,1-dimethylethyl)-1,4-benzenediol

CAS No. 1948-33-0

MW : 166.22

tert-」 は 「tertiary」(第三級) の意。 「t-」 と略す場合もある。

ダスキンの子会社ミスタードーナツが販売した肉まんに使用されていたという酸化防止剤。 食品添加物として認められていない TBHQ が使用されていることを知りながら隠していた事が発覚、問題(2002年5月)となったことからこの化合物が話題になった。

日本では食品添加物として認められていないが認可している国もあることから輸入原料・食品に使用されていることがあり、判明した場合は自主回収が行われているが通常では健康被害が出るとは考えにくい(まず出ない)。

TBHQが日本で認可されていないのは有害性とは無関係で、単に認可申請がなされていないためである。また今後も認可申請されることはないと考えられている。その理由は
・認可申請には安全性を示すデータが必要で多額の費用がかかること
・TBHQを代替(だいたい)するものがあるので必ずしも必要ではないこと
・仮に認可申請し認可されても独占使用できるわけではなく、すべての人が使用できるようになるので利益がないこと
などが考えられる。

ハイドロキノン(字訳規則ではヒドロキノン)は非常に酸化されやすい(酸化されやすい性質を持つため酸化防止剤としての効果がある)。

酸化防止剤として使われている TBHQ はハイドロキノンにアルキル置換基を導入して活性を下げ、安定化を図っている。
TBHQ
TBHQ
一般にフェノール類は酸化されやすい性質がある。 phenol
フェノール

字訳規則

外国語の化合物名をカナになおす時に用いられる規則。
文字として書き記す場合に用いることを想定したものであるため、元の発音とは異なる場合が多い。 元の発音に近い表記にしようとすると、カナ表記を決めにくくなるために採用された。

たとえば一般によく知られているダイオキシンは次のようになる。

 dioxin → ジオキシン

なお一般に言われているダイオキシンは、正確には dibenzodioxin(ジベンゾジオキシン)である。



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22 Jun 2002
Last Modified: 04 Oct 2011